日テレ「カズレーザーと学ぶ」24年11月05日の放送分で、脂肪リスク上げる便秘の新常識! 現代人の便意が消失!?で最新の研究成果が紹介されました。現代人の便意が消失!?取り戻すのは困難!そのメカニズムと便秘を防ぐスーパー食材が紹介されましたので、まとめてみました。
便意消失の原因は我慢しすぎ
説明いただいたのは赤坂ファミリークリニック院長 東京大学医学部附属病院 伊藤明子先生です。
そもそもなぜ便意が消失するのでしょうか?
「我慢のしすぎ」が原因です。
便が肛門に集まると、「もうたまったよ」と神経系が感知して「もうだしてください」というメッセージを括約筋に送ります。我慢すると腸にある便意を送るセンサの感度が鈍り、脳が便意を感じなくなります。出したい感覚そのものが起きなくなってしまうということです。
便秘のリスク
便秘は冬に多くなります。水分摂取量が減ることと、寒さがストレスになり交感神経が優位になり、腸の動きが鈍ります。便秘になると腸の悪玉菌から血中に有害物質が流出します。体臭や口臭や肌荒れなど見た目に影響がでます。
さらに怖いのが死亡率がアップすることです。慢性便秘症患者の15年後の生存率は、さまざまな病気のリスクが上がり便秘症状のない人の15%も上がります。
・心筋梗塞
・脳梗塞
・腎不全
・慢性腎臓病
・認知症
・動脈硬化
など
脳卒中の発生リスクが約2.3倍、心不全が約2.7倍にもなるとのことです。また便秘でいきむことで瞬間的に血圧280に上昇し血管が破裂して死亡率が上がります。
藤田医科大学の研究では、救急搬送された患者の11%がトイレで心停止だったとのこと。
さらに愛知医科大学の研究では、女性の53%、男性の27%が便秘を自覚しています。それだけリスクを持った人がいるという事です。
便秘改善のしくみを知る
便秘の改善には腸のぜんどう運動が重要です。そのためには発酵性食物繊維が必要です。腸内細菌によって発酵する食物繊維の事で、腸内細菌のエサになります。
発酵性食物繊維は、まず腸内細菌で糖に変換されます。さらに別の腸内細菌で酢酸に変換されます。さらに酪酸に代わります。その酪酸が腸のぜんどう運動のエネルギーになります。
この酢酸(さくさん)、酪酸(らくさん)が短鎖脂肪酸と呼ばれるものになります。
ちなみに「酪酸」をサプリなどで直接取ればいいように思いますが、そのようなものは「ない」ということです。酪酸は摂取できるものではなく、食物繊維でとって腸内細菌に仕事をしてもらって酪酸を作ってもらうしかありません。
発酵性食物繊維→糖→酢酸(さくさん)→酪酸(らくさん)のリレーです。酢酸と酪酸が短鎖脂肪酸になります。
ここで重要なのは、人によって短鎖脂肪酸を作り出す発酵性食物繊維の種類が違うということ。自分の腸内細菌にとって相性のいい食物繊維を見つけなければなりません。つまり一つの食材で誰にもOKではないのです。
便秘の防止改善の第一歩は、自分の腸内環境を知ることです。たとえば、ヨーグルトでも乳酸菌やビフィズス菌など様々な種類がありますが、約二週間摂取して便の回数や色や形が改善がしたならば、自分の腸内細菌に合っているという事です。
自分の腸内細菌を知る
二週間で便が改善したかを確認するだけでなく、業者に調べてもらう手段もあります。
番組の出演者の腸内細菌を調べた結果、もっとも便秘になりにくいのはカズレーザーさんでした。
酪酸を作り出す腸内細菌の種類が多いので、偏った食べ物だけでなくいろいろなものから酪酸を作り出せるようです。
35%も酪酸を作り出せる菌でした。
フィーカリバクテリウム6%(好物・冷ご飯)
アナエロスティペス12%
ラクノスピラ10%(好物・タマネギ・ニンニク)
フシカテニバクター8%
さらに酢酸を作る菌も様々でした。
バクテロイデス
ビフィズス菌(好物・バナナ)
ブラウディア(好物・大麦)
ドレア
ビロフィラ菌というおならが臭くなる菌も多めでしたが、ビオフィラ菌には乳酸菌が有効とのことでした。菌を知って菌が好きな食べ物をとれば、より効率的な腸活になります。
武藤十夢さんはラクノスピラが30%でした。タマネギ・ニンニクが好物の菌ですが、この場合1種類しかありません。菌の種類を増やすことはできないので、ぬか漬け・チーズ・味噌などの発酵食品の力を借りるのがいいようです。
オカリナさんはフィーカリバクテリウム(好物・冷ご飯)が多く、吉村さんは酢酸を作る菌が少なかったです。
市販のサービスで腸内細菌を調査してもらい、自分の菌を知るのが一つの近道です。
酪酸菌を減らすNG行動とは
便秘になりがちな方のゲスト3名の菌を調べると、酢酸を作る菌は多いのですが、酢酸を作る菌は少ないことが問題でした。つまり糖→酢酸(さくさん)→酪酸(らくさん)のリレーで、酢酸から酪酸をつくる酪酸菌が少ないということでした。
原因の一つはビタミンB1の不足です。
ビタミンB1はなぜ不足するのかというと、「お酒の飲みすぎ」です。アルコールはビタミンB1の利用効率を下げてしまうので、控えたほうがいいでしょう。
ビタミンB1は豚肉や大豆に多く含まれますので、多く取り入れることで便秘のリスクを減少させます。
便秘改善法
では改善方法はどんなものがあるでしょうか。
腸内細菌検査を受けなくても試せる腸のぜんどう運動をMAXまで高める「最強の食事法&スーパー食材」のご紹介です。
食材ごとに腸に届く位置や短鎖脂肪酸を作る時間が違います。
腸内で発酵する時間 | 食べ物 |
4~6時間後 | 大豆・タマネギ |
8~10時間後 | バナナ・大麦 |
16時間後 | 米ぬか・全粒粉 |
これらをあわせた食材を食べることで24時間かけて腸内環境がよくなります。
それぞれに効く最強食材のご紹介です。
大腸の前半はごぼうです。イヌリンが入っていてビフィズス菌を増加させます。
リグニンは腸のゴミをかき出しぜんどう運動を活発にします。ごぼう茶では繊維質がないのでだめで
す。
大腸の中盤はキウイです。善玉菌や短鎖脂肪酸を増やすペクチンを含み、保水力と膨張力にも優れ便を出しやすくします。
大腸の後半は小麦ふすまです。腸の奥の善玉菌のエサになるアラビノキシランンが多く含まれます。
これですね。
食材ごとに短鎖脂肪酸を作る時間が違うんです。これを意識してバランスよく食べ物を摂取すれば、より効率よく腸活できます。
ちなみに以下のリンク先は、短鎖脂肪酸を増やす腸内細菌「ブラウディア」について、以前カズレーザと学ぶで放送された内容です。
やはり大麦を摂取するのがいいという事ですが、「腸内細菌におけるブラウティアの割合を6%に維持する」という事もいってます。これはなかなか難しそうです。
結局は短鎖脂肪酸を増やすことが重要となります。短鎖脂肪酸を生み出すビフィズス菌のヨーグルトをヨーグルトメーカーで量産した記事はこちらです。ご参照ください。
便秘には日々の腸活です。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。