ヨーグルトにはいろいろな菌が使われたものがあります。その中でも免疫力に効果があるという製品がいくつかあります。でも一体どんなものがあるのかよくわかりません。長く続くコロナの中、できるだけ免疫力をあげたいです。明治R-1は有名ですが、他にどんなヨーグルトがあるのか調べてみました。
1.摂取のポイント
最初にヨーグルトを食べるときに注意すべきポイントです。どんなに免疫力にいいヨーグルトがわかっても、食べ方を間違っていては効果を得ることはできません。
4つのポイント
①乳酸菌は個人によって合う、合わないがあります。もし、2週間ほど続けてみて便通の改善などの効果が見られなければ、いろいろとヨーグルトを試して自分に合った乳酸菌を探しましょう。
②同じ種類のヨーグルトを続けると、菌は腸の中で他の菌がいないことで安住し、活動をさぼり始めます。違う種類の乳酸菌をとることで菌が活性化されます。たまに違う種類のヨーグルトを食べて、菌をさぼらせないようにしましょう。
③乳酸菌の餌になるオリゴ糖や食物繊維などと一緒に取って、善玉菌を増やして活性化させましょう。オリゴ糖はスーパーでも入手可能です。食物繊維は、いまはやりのオートミールに合わせてもいいでしょう。
④新鮮な乳酸菌を腸に送り込むために、少しづつでも毎日継続して食べましょう。ヨーグルトであれば1日100~200gを目安になります。継続して食べるには、ヨーグルトメーカーで増産するのがコスパがいいです。また、脂肪分の摂りすぎが気になる方は、以下の記事をご参照ください。
2.免疫力に効果のあるヨーグルト
では、免疫力に効果のあるヨーグルトには、どんなものがあるのでしょうか。研究結果が掲載されているものを探してピックアップしました。
①雪印 ガセリ菌SP株 ナチュレ恵
このヨーグルトは、ファミリータイプで400g入ったトクホのものと、トクホではないですが脂肪ゼロタイプがあります。どちらにも100gあたり、L.ガセリSBT2055(ガセリ菌SP株)が5億以上、B.ロンガムSBT2928(ビフィズス菌SP株)が10億以上入っています。
一方、100mlタイプは脂肪ゼロでトクホです。こちらにはL.ガセリSBT2055(ガセリ菌SP株)だけが10億以上入っています。これはファミリータイプの倍の量です。
ガセリ菌とビフィズス菌の2種類の菌を摂りたいのであれば、ファミリータイプを種菌に、ガセリ菌をたくさん摂りたいのであれば、ガセリ菌が10億個はいった100mlタイプのものを種菌にするのがいいということになります。ただし以下によると、どうやら免疫力向上にはガセリ菌が効果がありそうです。
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るときは、牛乳900mlあたり、種菌ヨーグルトを100ml入れます。そのため種菌にするには100mlあたりガセリ菌が10億以上含まれている小さいカップの100mlタイプを使うのがいいでしょう。
恵ガセリ菌SP株は、「ヨーグルトメーカーで増産した方が人口甘味料を減らせるのでいい」という記事はこちらです。
②明治プロビオヨーグルトR-1
つづいては明治のR-1です。トクホではありませんが免疫力といえば真っ先にあがりますね。1073R-1乳酸菌が使われているヨーグルトです。
(株)明治のWebサイトに免疫に関して「乳酸菌1073R-1株試験結果」として5つの研究結果が掲載されています。5つのうち、2つはマウスへの研究結果などですが、以下は人での結果記事の抜粋です。
一方、R-1の免疫力に何しては気になる記事も記見つけました。上述の「乳酸菌研究最前線」にたいし、インフルエンザ予防などとはとても言えないというものです。
ウェッジという雑誌の記事です。
「インフルエンザ予防に乳酸菌」のページが消えた!
確かに、明治のホームページを見てもインフルエンザに効くとは一切触れておらず、「強さ引き出す乳酸菌」という表現をしています。
とはいえ、佐賀県有田市の例のようにR-1をとっていた小中学生が、付近の小中学生に比較し、圧倒的に罹患率が低いという結果出ています。論文などでのエビデンスは出そろっていないようですが、実績として効果はありそうと言えるのではないでしょうか。
③小岩井乳業 iMUSEイミューズ
3つ目は小岩井乳業のiMUSE(イミューズ)です。健康な人の免疫の維持サポートするをプラズマ乳酸菌を使っています。こちらは小岩井乳業とキリンホールディングスと協和発酵バイオとの共同研究開発から見つかった乳酸菌です。
そもそもプラズマ乳酸菌とは、なんでしょうか?免疫細胞の中には、NK(ナチュラルキラー)細胞とか、キラーT細胞とか、ヘルパーT細胞とか様々な種類があるそうです。
それらの免疫細胞に、「働け」と指令を出す細胞が「プラズマサイトイド樹状細胞」です。普通の乳酸菌は一部の細胞だけを活性化しますが、プラズマ乳酸菌は、司令塔の「プラズマサイトノイド樹状細胞」を活性化させます。つまり、プラズマ乳酸菌は「免疫細胞たち全員で働かせる」効果が出せるというわけです。
2020年8月に機能性表示食品制度の「健康な人の免疫機能の維持をサポート」に関する表示で、免疫機能で初めて消費者庁に届出受理されています。
以下、ダイヤモンドオンラインの記事です。
今のところ、これが一番効果ありそう。と私は勝手に思います。。。ということで、ヨーグルトメーカーで量産して食べてます。ちょっとコツがいります、という記事です。
④森永乳業ビヒダスプレーンBB536
続いては森永のビヒダスです。ビフィズス菌BB536が配合されたヨーグルトです。
乳酸菌とビフィズス菌の違いは、乳酸菌が生み出すのは「乳酸」、ビフィズス菌は「乳酸+酢酸」です。また乳酸菌は自然界すべてにみられ、ビフィズス菌は、主に人や動物の大腸に住む腸内環境改善に多く関係する菌です。
ビヒダスの通常タイプはトクホも取得しています。
以下は森永の食品基盤研究所が2010年に平成22年度日本酪農科学会奨励賞を受賞した記事です。
こちらもインフルエンザに効果がありそうです。
大腸の善玉菌の99.9%はビフィズス菌で、残り0.1%が乳酸菌です。もともとおなかの中にいるビフィズス菌。乳酸菌のヨーグルトばかりではなく、ビフィズス菌を摂りこむのもいいかもしれません。
ただし、ビフィズス菌は家庭にあるヨーグルトメーカーでは増殖できませんのでご注意ください。
⑤フジッコ カスピ海ヨーグルトプレーン クレモリスFC株
5つ目はフジッコのカスピ海ヨーグルトです。こちらは、ご存じトローっとした独特な粘りのあるヨーグルトで、常温で増産できることでも知られています。クレモリス菌FC株という乳酸菌から作られています。クレモリス菌FC株は、乳製品に含まれる乳酸球菌の中では、生きて大腸まで届くことが明らかにされたプロバイオティクス乳酸菌です。
以下は第57回日本栄養改善学会学術総会のおけるフジッコの研究開発室の発表内容です。マウスに対してインフルエンザ効果がありそうというものです。
カスピ海ヨーグルトって、独特の粘りがおもしろいですよね。これもたまにローテーションにとりいれたら、免疫力が高まりそうです。
⑥カゴメ 植物性乳酸菌ラブレ
最後は、カゴメのラブレです。唯一、植物性の乳酸菌であるラブレ菌が使われています。植物性の乳酸菌は、栄養分豊富な環境で育つ動物性乳酸菌に比較し、塩分や酸の多い環境でも育ちます。だから、生きて腸まで届くという特徴があります。
手軽に取れるタブレットタイプもあります。
以下はカゴメのホームページに掲載されていた記事です。
免疫力がアップする!?の「?」が気になりますが、NK細胞だけでなくインターフェロンαへの効果がみられるのは、他にはない特徴です。また、植物性の菌が生きて腸まで届くというのも、ぜひ取り入れたい良さです。
ラブレはヨーグルトメーカーで量産するのはちょっとコツがいるんです。そもそもラブレは「ヨーグルト」ではなく、「乳酸菌飲料」なんです。でも、以下の記事を見ていただけばヨーグルト化して量産できます。
3.まとめ
最後にまとめです。
結局は個人によって合う菌、合わない菌があります。2週間くらいお試しして便通に効果があるかを確認してから、継続・ローテーションしてみてください。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
2.生きて腸まで菌が届くことをアピールしているのは、「カスピ海ヨーグルト」と「ラブレ」。
3.いずれの菌もインフルエンザにはなんらかの効果が認められています。同じ菌を続けるとさぼるので、ローテーションがいいかも。