キリン 「イミューズ朝の免疫ケア」がいつの間にか見かけなくなったと思ったら、2023年3月で出荷停止し、代わりに3月28日から「おいしい免疫ケア」 という商品になっていました。そんなに古い商品じゃないのに、なぜやめてしまったのでしょう。そして、いったい何が違うのでしょうか。調べてみました。
違い①パッケージ
まずは見た目のパッケージです。「朝の免疫ケア」の正式名称は「iMUSE朝の免疫ケア」なので、iMUSEの表示があります。Iは小文字のiです。そして赤を基調としたデザインにしています。
一方の「おいしい免疫ケア」はiMUSEの表示が消えています。そうなんです。「おいしい免疫ケア」はiMUSEブランドの商品ではないのです。
以下リンク先のキリンのWebサイトが提示しているiMUSEのラインナップには、「おいしい免疫ケア」は入っていません。
iMUSE(プラズマ乳酸菌)[機能性表示食品] 商品ラインアップ|免疫で日本初!機能性表示食品 プラズマ乳酸菌 iMUSE(イミューズ)|キリン (imuse-p.jp)
にもかかわらず、iMUSEのイメージカラーであるブルーのパッケージを使っています。なんらかのマーケティング的な戦略はありそうです。
違い②価格
2つ目の違いは価格です。キリン朝の免疫ケアは132円、おいしい免疫ケアは139円です。容量が同じなので、約5.3%の値上げに見えます。
世の中の値上げラッシュの中で、パッケージを変えることで値上げしていないように見せているのでしょうか。まあ同じものではないので、値上げとは言えないですけどね。。
違い③原材料
3つ目の違いは原材料です。食品の原材料の表記は含まれている材料の多い順番で記載されています。比較するとほぼ同じものなのですが、「おいしい免疫ケア」は加糖ぶどう糖液糖ではなく、砂糖のみで甘み付けをしています。
砂糖類(果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、砂糖)、発酵乳(殺菌)、脱脂粉乳、乳酸菌末/安定剤(増粘多糖類、大豆多糖類)、香料、酸味料、シリコーン
今となっては2つを同時に飲むことができないので、味の詳細な比較はできません。光の当たり方かもしれませんが、色はちょっと違うようにも見えます。でもきっと味は大きく変わらないのではと予測します。
違い④栄養成分
4つ目の違いは栄養成分です。これもほぼ同じです。ほんのちょっとだけ塩分とリンとカリウムの量が異なります。なぜ微妙に変えているのかが気になりますね。
朝の免疫ケア | おいしい免疫ケア | |
エネルギー(kcal) | 50 | 50 |
たんぱく質(g) | 0.6 | 0.6 |
脂質(g) | 0 | 0 |
炭水化物(g) | 12 | 12 |
食塩相当量(g) | 0.03 | 0.08 |
プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma) | 1,000億個 | 1,000億個 |
リン(mg) | 16 | 15 |
カリウム(mg) | 26 | 23 |
違い⑤キリンに聞いてみた
ここまでの違いはほとんどないのですが、逆になぜ微妙に違うのでしょうか。お客様相談室(0120-595955)へ電話して聞いてみました。
①なぜ替えたの?
回答:特に問題があったわけではありません。ラインアップの見直しのためで、商品をブラッシュアップさせました。
②なにが違うの?
回答:すっきりとした味に変更しています。プラズマ乳酸菌は従来と変わらず1000憶個入っています。
③iMUSEブランドに含まれないのはなぜ?
回答:幅広い客層に興味を持ってもらうために、iMUSEではなくしました。色はさわやかな色へ変更しています。iMUSEを意識したものではありません。
微妙に成分が異なるのも、すっきりとした味に変更するためだったのかもしれません。甘みづけを加糖ぶどう糖液糖から砂糖のみに変更し、食塩の量を0.05g増量させていることで、甘みを抑えた味付けになったのかもと思います。
iMUSEブランドから外したのは、今までのお客さんが「あーイミューズかー。だったら買わなくてもいいわ」と思っていたかもしれない状況から変化させて、顧客を広げたかったようです。
同じところ
最後に「iMUSE朝の免疫ケア」と「おいしい免疫ケア」の同じところです。
まずは消費者庁届出情報です。消費者庁届出情報とは機能性表示食品がどんな機能なのかを消費者庁へ届け出ることです。
ちなみに機能性表示食品制度とは、以下の通りになります。届出だけすれば認可はいらないものなので、トクホよりも容易と思われます。
機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
引用:消費者庁Webサイトより
それぞれの届出番号です。当然ことながら番号は違います。
G271キリン iMUSE(イミューズ) 朝の免疫ケア
H594キリン おいしい免疫ケア
届出内容は同じです。肝心のプラズマ乳酸菌の内容は同じになっています。
以下のサイトにて確認できます。
機能性表示食品の届出情報検索 (caa.go.jp)
免疫に作用する肝心のプラズマ乳酸菌については、効果のほども個数も変わらないようです。その他、容量や容器の形状も同じです。
もちろん、使われている菌は「死菌」なので、ヨーグルトメーカーでは量産できません。この点も同じです。「朝の免疫ケア」をヨーグルトメーカーで量産しようとチャレンジした記事は以下です。
「イミューズ朝の免疫ケア」から「おいしい免疫ケア」への切り替えは、すきっりとした味の変更と共に、顧客層の拡大という狙いがあったようですね。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。