2024年7月2日放送のカズレーザーと学ぶ。で、「辛さでヤセる!唐辛子1週間生活で検証したら肌質&体臭&脂肪燃焼も激変が放送されました。番組で紹介された方法をまとめてみました。
痩せる仕組み
解説してくれるのは味覚研究の最前線の研究者 広島大学医学部の堤理恵先生です。
最初に辛みを感じる仕組みを見ていきましょう。
①辛みは痛覚
舌には味覚を感じる味蕾があります。甘み、酸味、うま味、苦味、塩味は「味覚」として味蕾が感じ取ります。一方、辛さについては舌の奥にある「痛覚」で感じます。辛みが得意な人は、痛みや熱さに強いということになります。
辛さは43℃以上の食べ物だと刺激物だと認識して痛みとして脳に伝えます。冷たい食べ物だと反応が弱くなり、無理せずカプサイシンが摂取できます。
②痩せやすくなる仕組み
カプサイシンを継続してとっていると、なぜ痩せやすくなるのでしょうか?
辛さを感じる受容体はTRPV1(トリップブイワン)といい、唐辛子にあるカプサイシンに反応します。辛さを感じると脳へ伝わり、脂肪を燃やすUCP1を活性化させます。UCP1は褐色脂肪細胞内のミトコンドリア内で、蓄えられた脂肪を原料として熱を発生させます。その結果、脂肪燃焼効果が上がり痩せやすい体質になっていきます。
またカプサイシンの刺激が副腎髄質に作用しアドレナリンが分泌され、体温が上がり代謝促進、汗をかくようになります。
では、辛さに弱い人はこの先もずっと弱いままなんでしょうか。
遺伝的にTRPV1の感度が鋭い人は辛さに弱いです。でも耐性ができて感度が鈍くなれば辛さに強くなっていきます。
カプサイシンの効果
カプサイシンには痩せやすくなるだけでなく、別の効果もあります。
①減塩効果
カプサイシン入りの食塩水だと味を総合的に判断する脳の二次味覚野が騙されて、塩味を強く感じます。その分、塩を減らすことができます。塩分はむくみや肌荒れの原因となりますので改善が期待できます。
減塩醤油にも使われていて、わずか0.0005%のカプサイシンで50%の塩分カットのものもあります。味噌汁に一味唐辛子を一振りかけるだけで、味噌が半分で同じ塩分を感じるようです。
②うまみを引き立てる
辛みはうまみを引き立てて味覚の向上になります。辛みは痛覚が感じとりますが、痛覚からの三叉神経のシグナルは味覚の神経にも一緒に作用するので、味覚の感度が増強します。例としてうどんへ七味唐辛子を入れると味わいが深くなることなどがあげられます。
うま味や甘みからの刺激は脳からβエンドルフィンを出しますが、同じように辛みからもβエンドルフィンを出します。
③発汗作用
発汗作用があります。カプサイシンの刺激で副腎髄質からアドレナリンがでて体温が上がり代謝を促進させます。体温が上がると発汗により反動で体温が下がり寝つきを良くします。
④体臭改善
習慣的な発汗作用で体臭改善にいい場合があります。体臭の元になるのはジアセチルです。使い古した油やチーズのような匂いを放ち、30~40代の男性に多い加齢臭です。ジアチルサンは体の中から染み出した乳酸が汗でしみだしてきて、皮膚の表面にある菌に分解されて出てきます。カプサイシンで代謝がアップすると乳酸が出る量が減ります。結果、体臭の元になるジアセチルの量が減ります。
⑤便秘改善
TRPV1が舌と並んで多いのが直腸と肛門の周辺です。カプサイシンによって刺激されると便秘改善につながります。ただし適量が必要です。
⑥免疫力アップ
免疫細胞のマクロファージがカプサイシンで活性化します。体内に侵入したウイルスを退治し、夏風邪を予防したり病気の重症化を防ぎます。
旨辛世界一周チャレンジメニュー
飽きずにカプサイシンをとり続けるためにはメニューに工夫が必要です。番組では旨辛世界一周チャレンジメニューとして、1週間で様々な国の旨辛メニューを紹介していました。特徴と共にご紹介します。
【1日目】イタリア:冷製アラビアータと唐辛子ドレッシングのサラダ
1回の食事で一味唐辛子1gで代謝がアップします。アラビアータは塩分が80%カットできます。
・カプサイシン効果で味を濃く感じます。
・辛さが苦手でも冷たくすると食べやすいので無理せずカプサイシンが摂取できます。
【2日目】韓国:ウマ辛スンドゥブチゲ
・昆布と煮干しの出汁をいれるとグルタミン酸とイノシン酸の相乗効果でうま味7~8倍に。
・トマトジュースを入れるとグルタミン酸とグアニル酸でうま味が引き立ちます。
・キムチを入れるとアミノ酸GABAによってストレス緩和。睡眠の質改善にも。
デザートの「ヨーグルトのジンジャーシロップ掛け」は、ショウガオールが代謝アップさせます。
【3日目】インド:スパイスカレー
スパイスから作る塩分&脂肪分50%カットのカレーです。
・クミン 代謝アップ効果
・コリアンダー 整腸作用
・ターメリック 血糖値抑制
【4日目】メキシコ:ウマ辛トルティーヤランチ
・野菜たっぷり塩分1gの超ヘルシーメニューです。
ディナーは中国&韓国:キムチチャーハン定食
・一般的なレシピより塩分50%カットになります。
【5日目】日本:タラの南蛮漬け&生姜のスープ
・辛みを加えることで80%減塩になります。
・生姜のスープは70%減塩です。
【6日目】タイ:トムヤムクンそうめん
・10分でできるメニューです。
【7日目】インド:タンドリーチキンと中国:豆乳担々うどん
・カプサイシンは乳成分に含まれる脂肪分やカゼインと一緒に摂取すると辛みを和らげます。
・辛い料理でおなかの調子が悪くなる人におススメ
これだけのバリエーションがあれば、無理なくカプサイシンが摂れそうです。
結果
運動や節制もせず1週間 辛みを取り入れた以外はいつも通りの生活した結果、どれだけ痩せたのでしょうか。
マヂカルラブリーの村上さんのチャレンジ結果です。
スタート時:115.7kg
1週間後:112.1Kg
結果は3.6kg減少でした。
ただ、もともと大きな体なので減少幅も大きいのでは?と思います。一緒にチャレンジした奥様のいくらさんは標準体重で1.4kg減でした。
また村上さんは肌の水分量も増えています。
スタート時:56
1週間後:99
肌の弾力は元々高い数値でしたが、それをキープしています。いくらさんの水分と弾力も数値はMAXでした。これは汗をかく回数や量が増えたため、水分と油分が肌に行き渡った結果です。汗が増えると保湿成分を増やす美肌菌が活発になり肌質が改善したと思われます。
体臭も元になるジアセチルの数値が初日5.6から7日目は1.3と減少し、いい匂いのする皮膚ガスのアセトンも初日3.5から7日目13.7と大幅に改善しています。
最後に味覚の数値です。通常は1なければいけませんが大幅に改善しています。
甘味0.97→1.02
塩味0.87→1.11
酸味0.95→0.98
苦味0.97→1.02
うま味0.89→1.12
脂肪味0.86→1.18
奥様のいくらさんの味覚数値です。こちらも1以下が多数ありましたが大幅改善です。
甘み0.96→1.10
塩味0.92→1.20
酸味0.94→1.18
苦味1.01→1.18
うま味0.91→1.19
脂肪味0.94→1.21
健康的な食事にカプサイシンを加えた無理のないレシピでの成果です。試す価値はありそうですね。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。