胃酸に強い乳酸菌のヨーグルト明治LG21。日本人の成人50%以上の胃にいると言われるピロリ菌にも効果があるらしい。でもLG21って大きなファミリータイプ(400ml)のヨーグルトは売ってないし、毎日食べるとコストがかかりそう。そしてヨーグルトメーカーで量産しようにも酸素に弱い菌なので、作れない?という事でちょっと工夫してみました。
1.明治LG21の菌は胃酸に強くピロリ菌に効果がある
乳酸菌は胃液で死んでしまうイメージでしたが、LG21乳酸菌は胃酸に強く、胃で増殖もするようです。さらに、胃がんの元になるピロリ菌の殺菌にも効果があることが実証されています。
以下のサイトでは「ピロリ菌を完全に除菌ができる」まではいきませんが、増殖を抑えたり病院での除菌作業の成功率を高めたりすることはできると記載があります。
ピロリ菌を減らすヨーグルトって本当に効き目があるの? | Medical DOC
その他、ピロリ菌を持っていた人が、自作のLG21を食べ続けて病院で検査したところ、除菌されていたというブログも見つけました。
LG21でピロリ菌を退治|出来損ないの有頂天 9回目 ピロリ菌発見から除菌までの流れ(概観) (fc2.com)
レベルに違いはありますが、LG21がピロリ菌に効果がありそうなのはわかります。なんかすごいぞLG21!これをヨーグルトメーカーで増産して毎日食べられたら最高です!
2.でも明治LG21の菌は酸素に弱い
でもLG21の菌は酸素に弱いので、ヨーグルトメーカーでは増産できないみたいという情報をみつけました。
上記は2018年の明治公式サイトでの表記でした。ところが、2022年現在の明治公式サイトですと、ちょっと言い回しが変わってきています。
メーカーとしては容易にヨーグルトメーカーでの量産を容認することはできないでしょう。でも以前の「作ることはできません」というトーンから、「市販のものとは性質が異なる可能性」に変化してきています。そして、「酸素に弱い」という表現もなくなっています。
酸素に気を付けると量産できてしまうので、「可能性」というゆるい表現に変えたのでしょうか。全く同じものではないにしろ、近いものはできそうな感じがします。
3.普通に作ってみた
まずは、いつも通りの方法で作ってみます。そもそもLG21の種菌を使ってヨーグルトメーカーで量産できるのでしょうか。過去、いろいろなヨーグルトをヨーグルトメーカーで作りましたが、小岩井乳業のイミューズやカゴメのラブレなどできにくいものもありました。ということで、確認の意味で作ってみました。
種菌には低脂肪タイプを使いました。脂質1.5%しかありませんね。
使った牛乳(加工乳)は「森永のおいしい高たんぱく脂肪0」です。200mlあたりたんぱく質10gで脂肪ゼロというボディメイクには最適な牛乳です。
満タンで1000ml入っていますので、種菌の分量100mlだけ減らします。そこへ種菌のLG21を1個まるまる投入します。
菜箸で全体に行きわたるようにかき混ぜます。
アイリスオーヤマの KYM-013 ヨーグルトメーカーの自動メニューのスイッチを押します。9時間後にヨーグルトが出来上がります。
できました!脂肪分ほぼゼロのジェネリックLG21ヨーグルトの完成です。ただし、ここまでは通常の作り方で出来上がったものになります。
4.LG21を量産!
つづいて、できる限り酸素をのぞいて作ってみます。
では酸素に弱いLG21を量産するためにはどうすればいいでしょうか。
①牛乳から酸素をなくす
ヨーグルトの原料になる牛乳から酸素をなくしてしまいたいです。そこで牛乳を煮沸することを考えました。でも鍋に移して煮沸したとしても、ヨーグルトメーカーの容器に移すときに空気と混ざってしまいそうです。。。
ワインも飲む前にわざと酸素に触れるようにするために、瓶からデキャンタに移したりします。せっかく煮沸しても意味がないように思えましたので、これはあきらめました。
牛乳の製造過程で加熱殺菌しますから、ある程度は酸素もなくなっていると思います。
②種菌投入時、牛乳と酸素が混ざらないようにする
牛乳が酸素と触れると考えられるのは、種菌のLG21を牛乳に投入して混ぜる時です。種菌投入時には、牛乳に菌が均一に混ざるように攪拌します。この時に空気もいっしょに混ざりこんでしまいます。これを避けるために、ドリンクタイプのLG21を投入し、あえて混ぜない方法をとります。
液体なのでかき混ぜなくても大丈夫なはず。空気が入らないように、壁面にそって静かに注ぎ入れます。
③牛乳と容器の隙間をなくす
牛乳の容器(紙パック)には、表面部に空気に触れる箇所が存在します。この部分の面積を減らすことが重要なので、ラップをはり空気と触れないようにしています。このアイデアは前述の「自作LG21でピロリ菌の除菌を成功させた」という方のブログからいただきました。
ラップをしたまま KYM-013 ヨーグルトメーカーにセットします。
9時間後に完成です。種菌を攪拌せず、空気を遮断させて作っても普通にできました。
むしろ、普通に作ったものよりも「つるん」として、よくできています。
④できあがったものの比較
いつもどおりの酸素を意識しないでヨーグルトメーカーでつくったヨーグルトと、酸素を極力排除したヨーグルトを比較します。左がいつもの作り方バージョン、右が無酸素バージョンです。
まずはいつもの。もろもろしている感じがあります。ちょっと酸味のあるプレーンなヨーグルトです。
続いて無酸素バージョン。若干なめらかです。もろもろ感がありません。これはLG21の菌が効いているのかな?味はほんのり甘めでした。
まあ、味については混ぜている種菌が違うので、違って当然かと思います。。でも味に関係のない「つるん」とした感じは、作り方の違いのように思います。
5.まとめ
ヨーグルトメーカーで作ったヨーグルトにLG21の菌が増えているのかは確認しようがありません。そのため、一生懸命酸素を入れずに作っても、気休め程度にしかならないかもしれません。
ただし、発売しているLG21自体でも密閉しているわけではなので、ある程度は酸素に触れても生きていると考えられるでしょうし、LG21の菌がまったく増えないとも思えないので、試す価値はあるかもしれません。実際、自作のLG21で除菌ができたという方もいらっしゃいます。
①種菌の投入時にはドリンクタイプ(液体)をつかって、攪拌しないようにする。
②ラップで空気の触れる面を少なくする。
③種菌は継ぎ足しせず、一回ごとにLG21の製品を使う。
これらでLG21ジェネリックはできる!!!かもしれません。まあLG21菌がたっぷりではなくても、十分美味しいヨーグルトはできますので、お試しあれ。
使用したヨーグルトメーカーはこちらです。
最後までご覧いただきありがとうございました。